懐旧の情とIT技術(H27.7.29)
逮捕された人や刑事裁判にかけられた人の弁護、少年事件での付き添い、電話での法律相談、それに弁護士会の憲法関係の委員会のメンバーとしてほんの少しと、いずれにしても、いくつかの弁護士の仕事をしていて、わたしの大学もこの兼業を正式に認めてくれています。ただ、時間の配分から見ると、半分を大きくこえるのが、自分の勉強(気取っていえば“研究”)や授業担当や大学運営です。
さて、今年の5月、勉強のためにスイスに出かけました。学校で宗教を教える新設科目の研究会に参加すること、が目的だったのですが(研究会そのものの報告は「東北学院時報」728号(2015年7月15日号)に書きました。いずれhttp://www.tohoku-gakuin.jp/about/publications/jiho.htmlでもご覧いただけるでしょう)、スイスには研修で1年間滞在してから25年近く、一番近い短期の訪問からでも10年以上経っています。今回は、滞在中の隙間の短時間、以前暮らしていたフリブール市(ベルン市と研究会のあったローザンヌ市の中間の都市)に行けたのです。
フリブール大学の、研修で世話になっていた研究所(Institut du Fédéralisme)は、北隣の町から、去年だったそうですが、フリブール駅すぐ近くに引っ越していました。建物の玄関には旧知の職員P-Aさんが待ってくれていて、いっしょに、研究員Nくんの上の階の部屋で雑談。しばし3人で昔話と家族の近況などを語り合いました。「グリゾン(グラウビュンデン州のフラン語名です)に行った所員旅行の時、野鳥が寄ってきてNの手のひらからエサを食べたっけね」「あのノブコ(当時2歳だった下の娘)がもう大学院!」「お別れの会でヒデル(わたしの名前です)がバショウの真似をして変なハイクをひねったので、みんなずい分笑ったよ」等々。こうした時間が楽しくないはずはありません。所長のH先生と司書のCさんとは、都合があわなかったのが残念でしたが。

写真(今回撮影)は、四半世紀前、妻、小さな2人の娘とともに暮らした建物です。1階に大家のLさん一家、2階がわたしたち家族、3階は3人の学生(1人は92年オリンピックのスイスのボート代表だったKくん)が共同で借りていました。 ……と、勝手に自分だけ懐かしがる雑文をつづってきましたが、もしやと思ってためしたところ、やはりそうでした。旧居や研究所の所在地を、インターネットの地図サービスの所在地入力欄に入れると、その場所の地図が出てくるだけでなく、その場に対応した情景を、例の情景画像サービスを使って目の前に呼び出すこともできました。可能な方は、下の案内のとおり、順に操作してみてください。こうしたことができるようになったのも、IT技術の届けてくれる悪くはない一面なのでしょうか。
【案内】
(1) 〔旧居〕Google → google Map →Route Joseph-Chaley 6, Friboug, Suisse
→ストリートビュー (情景の位置の若干の調整が必要)
(2) 〔研究所〕Google → google Map → Avenue Beauregard 1, Fribourg, Suisse
→ストリートビュー これで出てくる情景の内、角地に建つガラス張りの建物
(3) 〔研究所のホーム・ページ〕http://www.unifr.ch/ius/federalism_en/home
(上記は英語版。残念ながらこのサイトの言語は英語、フランス語、ドイツ語
だけです)
(4) 〔フリブールの美しい街並み〕Google → google Map →Friboug, Suisse
→ストリートビュー
(弁護士 中村)